静止状態の膜電位を静止電位といい、興奮状態の膜電位を活動電位というんです
膜電位は神経細胞が刺激を受けて興奮するときに大きく変化、軸索を伝わりますが
これを 伝導 といいます
ここで必要な単語は
『静止電位』『ナトリウムポンプ』『活動電位』『伝導の原則』『跳躍伝導』
です
それぞれみていくと
●静止電位
・通常、細胞内は(細胞)膜を介して外に対して −70〜−90mvの負電位 を示します
・この(電位)状態は 細胞内外にのイオン分布の違い で作られます
ソトは Na+、Cl- が多く
ウチは K+、タンパク質イオン が多いです
両者のイオンは チャネル を通って移動し、イオン分布をつくります
が
試験的に 移動するのはK+とNa+ と覚えておけばいいかと
・K+は拡散と電気の引き寄せ(タンパク質イオンが−だから)で移動します
まぁこっちの移動はあまり問われません。問題はNa+の方です
・Na+の移動では、
Na+が拡散(濃度が高いほうから低いほうへ移動)で細胞内に入ってくるため
入ってきたNa+を 強制的に外に吐き出すシステム があります
これを ナトリウムポンプ といい
流れ(濃度勾配)に逆らって 能動的 に行うので
ポンプ作動には エネルギーが必要 です
●活動電位
細胞が興奮してるときに発する膜電位(+20〜30mv)のことです
細胞が興奮を起こす最低の刺激量(閾値)を超えれば
刺激の強度に関係なく一定の形・大きさで発生します(全か無かの法則)
逆を言えば
刺激が入っても 閾値に達しなければ 活動電位は発生しません
試験で活動電位について聞かれることが多いのは
この辺が、治療の際のドーゼ(刺激量)と関係あると思われてるからかも
教科書だとこの部分には山なりの図が載ってますね
なにやら色んな単語が書いてありますが、全部覚える必要ありません
『分極』という単語をおさえておけば内容理解できると思います
分極とは 膜が電位をもつこと(図でいうと0から離れること) です
なので、電位が0に近づくことを 脱分極 といいます
活動電位を起こしたとき電位は0より上にいきます(オーバーシュート)が
その後、またもとの状態(静止状態)に戻らないといけないので
再び分極する(再分極)わけです
このとき(脱分極相と再分極相の間)、細胞は新たに興奮できません
この時期を (絶対)不応期 といいます
●伝導の3原則
@絶縁性
神経線維の興奮は、隣を走ってる他の神経線維には伝わりません
こんなことになってたら触っただけで痛みが起こることになります
A不減衰
伝わる興奮の大きさは弱らず一定ってことです
厳密には弱るらしいですが、まぁそんなことは問われません
B両側性
神経線維の一部を刺激すると、興奮は両方向へ伝わります
でも
ふつう生体内では一方向です(両側性は実験的な話)
●跳躍伝導
髄鞘をもつ有髄線維にみられます
活動電位が軸索を伝わる際、
ランビエの絞輪から絞輪へとジャンプしながら伝導することをいいます
電車でいうところの各駅停車と特急の違いですね
普通に伝導する(無髄線維の伝導)より速いのは比べるまでもないかと
伝導の速さは 線維の太さと温度 に影響を受けます
伝導速度を上げるには線維を太くしなければならないわけで
ある程度複雑な神経系をもつ動物ではこういう形式の伝導でないと機能できないんでしょうね
次回は伝達についてです