2008年04月09日

気・血・津液〜相互関係〜(2)気と津液の関係

気と津液の関係は次の2つにまとめられます

@気が盛んなら津を生じ、気は液にしたがって脱す

津液は脾胃によって水穀から形成されます
なので
脾胃の気が盛んであれば津液の生産性は充足し、脾胃が虚弱だと津液は不足します
気の固摂作用も津液の分布、排泄のコントロールに関与します

一方、気は津液に従属しています
したがって
津液の消耗は、気の損傷も伴います(異常な汗は疲れ倍増)

A気は水を化し、水が停れば気も阻滞する

津液の生成・輸布・排泄は、気の気化作用・推動作用に依存しています(気は水を化す)
なので
気の作用が低下すると、津液の輸布が低下し、水腫を形成します
そして
水腫の形成は、気機の流通を妨げる原因になります(水が停れば気も阻滞する)

タグ:中医学

2008年04月03日

気・血・津液〜相互関係〜(1)気と血の関係

気も血も、人体の生命活動に欠くことができない基本物質です
機能面での相違はこんな感じ
気:動きを起こす、温める系
血:栄養する系
両者の関係をお互いの立場から見るとこんな感じ

@『気は血の帥』

血が行き渡るためには気が必要っていうことです

気は血に対して
・血を生む
・血をめぐらせる
・血を摂す(血脈から漏れないようにする)
という作用をもっていることから、このように言われているみたいですね

A『血は気の母』
@に書いたように血は気に依存して運行しています


同時に血は栄養を気に与え続けることで気の機能を持続させてもいます

もちつもたれつって感じですね

まとめると
気は血を運行するために
血は気を作り出すために

互いに依存しているということです

タグ:中医学

2008年03月31日

気・血・津液(8)津液A生成・循行

(生成)
津液は水穀の精微から作られます

(循行)
特に関係する臓腑は 脾・肺・腎

脾:運化(水液) ⇒ 津液を生成し運搬する機能
肺:宣発・粛降 ⇒ 津液を全身に散布し、下に降ろす機能
腎:気化 ⇒ 必要な水はリサイクル、いらない分は尿に変化させて排出する機能
 
水の通路としては 三焦 が利用されます

なので津液がらみの治療に、三焦の調整を重要視する意見も多いみたいですね

津液は、その量が
多すぎるor流れが停滞する ⇒ 痰飲・水腫発生
・不足する ⇒ 乾燥
をそれぞれ引き起こします

まぁ不足のほうはすぐ陰虚に進んでしまうため
臨床場面において純粋な津液不足は見られにくいようです

ここまでは気・血・津液のそれぞれについて書いてきましたが
次回からお互いの相互関係についてアップしていきます
タグ:中医学

2008年03月30日

気・血・津液(7)津液@作用と分類

津液 = 体内における正常な水液の総称
唾液、汗、涙、尿なども当然これに含まれます

(作用)
慈潤・滋養です
例えば、体表の潤い、関節の動きを滑らかにする作用などが挙げられます

(分類)
性状から
『津』=澄んでさらさらしたもの
『液』=濁ってねっとりしてるもの
と分けられていますが

わかったところで治療に結びつくかギモンです

それよりも

津液は所在部位と五臓との関連性により『五液』として診察に応用されてます
こっちのがよっぽど実践的な分類です

涙:肝の液
汗:心の液
涎:脾の液
涕:肺の液
唾:腎の液

それぞれこんな感じに使ってるようです

・涙が出ずに目が乾く(潤いがない) ⇒ 肝の陰分・肝血の不足
・風に当たっただけでも涙が出る(出やすい) ⇒ 肝に熱がある・肝腎両虚

・汗がよく出る(多汗) ⇒ 心陽虚(気が不足してさらに冷えてる状態)
・寝汗が多い(盗汗) ⇒ 心陰虚(血が不足してさらに水分も少ない状態)

・口が渇く(涎が減ることによる) ⇒ 津液がうまく上に運ばれてこない
・涎が多い(つねに溜まってることも) ⇒ 脾気虚による統摂不足

・鼻が乾燥する(涕出なくて) ⇒ 肺に熱がある・乾燥している
・鼻づまり・垂れっぱなし ⇒ 肺の気がうまく回ってない

・舌が乾きやすい(唾が出なくて) ⇒ 腎陰虚

実際の治療において、この情報だけで方針を決めることはありませんが
患者さんの状態・治療方針を決定する上で参考になります

次回は津液の循行についてです

タグ:中医学

2008年03月29日

気・血・津液(6)血B血の循行

血の循行のメインになる臓腑は3つ

脾・心・肝

です

心は『血脈を主る』 ⇒ 血を循環させる原動力となります
脾は『統摂(漏れないようにする)』作用をもつ ⇒ 血が血脈内を流れるようにします
肝は『蔵血(血の配分)』作用をもつ ⇒ 必要なところに血を振り分けます

これらのうち、どの機能が失調しても血の流れに異常が出ます

例えば
脾の『統摂』作用が衰えた場合、血が脈から漏れやすくなるので
⇒ 皮下出血しやすくなる、生理時の出血量が多い などの症状が出てきます

次回から水、『津液』(しんえき と読みます)についてアップしてきます

タグ:中医学

2008年03月28日

気・血・津液(5)血A血の生成

基本的に五臓すべてが血の生成に関与します

材料は  水穀の精微・営気・津液・精  の4つで

生成の仕方は大きく2つ

@脾胃で吸収された栄養 ⇒ 水穀の精微に変化
水穀の精微 ⇒ 営気に変化
 営気+津液 ⇒ 血に変化

A精と血がお互いに変化しあう関係(精 ⇔ 血)なので
精から血ができるルートもあります

この知識が役に立つのは血虚(血不足)の治療のときです

血虚だと判断したとき
この2つのルートを中心に治療方針をたてれば『材料不足』の場合はOKです

しかしこの2つをおさえるだけでは良くならない場合があります

血虚なんだけど『材料不足』じゃなくて
血が『必要なところに行き渡らない』で不足してるときです

この場合、上の方針だと治療効果が 微妙 なんで

こんなときepg*は『血の循行』を意識して治療するようにしてます

『血の循行』については次回アップします

タグ:中医学

2008年03月27日

気・血・津液(4)血@血の作用

血の作用って一言で言うと『栄養』

そして大まかなカテゴリーに分けると2つ(肉体面、メンタル面)です

@全身の組織・器官に栄養分を供給・滋養する

これ顕著なのが

目の機能と四肢の運動能力(女性の場合は月経も)です

血が足りなくなるとすぐに影響出てきます(目の疲れ、関節運動低下、力入んない)

A精神意識活動の基礎物質

最近ストレスによる病が増えてきてますが

変化(情報量、飲食、生活習慣)のスピードに体がついていけない部分もありますが
細かいことに気を使うことが増えたせいで

血(特に心血)の消耗が激しい

という側面が大きいんじゃないかと思います

血不足になると ビビリやすい・不眠多夢(眠りが浅いなど)などです

次回は血の生成についてです

タグ:中医学

2008年03月26日

気・血・津液(3)気B気の生成過程

気の材料と生成に関連するのはそれぞれ3つで

気の材料は

@腎中の精気(先天の精)

A水穀物の気

B呼吸で吸う清気


の3つ

そして気の生成において重要なのは

@先天の精気の充足度

A飲食物の栄養の質

B肺・脾・腎の機能が正常かどうか


この3つです

なかでも脾胃の受納・運化作用がカギで

近年の異常行動・アレルギーの異常増加に関係あるんじゃないかとepg*は思います

では各論に

@元気

先天の精(腎精)が原料です

出生後は後天の精(脾胃の気血)によって補充されてます

元気は三焦を通じて全身に分布してます

A宗気

呼吸で吸った清気 + 水穀の気(脾胃の運化で生成)

で構成されます

宗気は胸中に集められます

B営気

主に脾胃で作られる水穀の精微から化生(気化)したものです

血とセットでめぐるので全身(脈中)に分布します

C衛気

主に水穀の気から化生したものです

営気と何が違うんだって話になりますが

営気は陰(物質より)に属し、衛気は陽(機能より)に属します

分布部位について
前に書いたと思うんですが陰は内側、陽は外側に属す性質があります

この性質と前々回アップした働きをプラスして

衛気の分布部位は全身(脈外)です

次回から血についてアップしていきます

タグ:中医学

2008年03月25日

気・血・津液(2)気A気の作用

前回アップしましたが、気は『種類』によって独自の働きをもっています

今回はそれらの総括って感じです

気の作用は大きく5つに分けられます

@推動作用

人体の生長・発育、各臓腑・経絡の生理活動、血の循行、津液の輸布
これらは全て推動作用によって運営されてます

A温煦作用

全身や各組織を温める作用です

B防御作用

肌表を保護、外邪の侵入を防ぐ作用です

C固摂作用

もろもろ漏れないようにしてます
汗の出すぎ、薄い小便の頻尿、そして体にしまりがないのはこの作用不足です

D気化作用

言葉で説明するのは難しいんですが、言い換えると...   変化?
@.気・血・津液・精が互いに変化しあう作用
A.物質の産生と代謝(臓腑のある種の機能)

次回は気の『生成過程』についてです

タグ:中医学

2008年03月24日

気・血・津液(1)気@気の種類

epg*中医学いいよって薦めておきながら

最近、あんまり中医学について触れてなかったので

再びアップしてきます

まず気から

狭義の気は分布部位や機能の違いによって4種類に分けられます

@元気 ⇒ 生命活動の原動力

A宗気 ⇒ 肺の呼吸作用と心血の運行を推進する作用
       身体機能(視る、聴く、言う、動く)と関係する

B営気 ⇒ 全身に栄養を供給(血の一部として)

C衛気 ⇒ 外邪の侵入を防ぐ(肌表の保護により)
       体温調節(汗腺を開閉することにより)
       臓腑を温める
       皮毛を潤す


次は気の作用についてアップします

タグ:中医学

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