患者さんの精神状態、意識のはっきり度、動作に調和がとれているか、反応の鋭敏性
などの状況を観察することです
・これで何を判断するか?
臓腑・陰陽・気血の盛衰と疾病の予後 を判断します
特に『目の観察』は重要です(目は五臓六腑の精気が注ぐところで、脳・肝・心と関係)
望神では次の3つの状況に注意します
【1】得神(有神)
患者さんの目が活発に動き、生き生きとして、精神状態はっきり、反応も鋭敏で
言語が明朗な状態をいいます
これは、精気の反応が目に現れやすいことから判断材料として重要視されます
神とは(広義の意味では)『生命活動の外的な現れ』を指します
精気を基礎物質としているので、神の盛衰で精気の充足度がわかるわけです
この状態(得神)は
正気が損傷しておらず、臓腑機能にも衰弱が見られないことを表していて
たとえ病状が重くても予後は一般的に良好であることを示してます
【2】失神(無神)
眼光が暗く、瞳に生気がない、精神状態が思わしくなく、反応が鈍い、呼吸が弱い
ひどいときは意識が昏迷して、衣服や布団を手でさぐり、空をつかむ動作をする
卒倒する、目を閉じ・口を開き・手をだらりとして失禁する
などの状態を総称していいます(長いですけど)
これは
正気がすでに損傷し、病状も重いことを示してます
【3】仮神
『消えかけた灯がまた明るくなる』と表現される危険な兆候です
これは長く病気を患ってる場合や、重症者で精気が極度に衰弱している場合によくみられ
陰陽の乖離が始まろうとしている現象ととらえられます
例を挙げると
・前は話したがらず、声も低く、弱々しかったものが、突然活発に話し出して止まらない
・亡くなる寸前の人が、急に元気になる
などです
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