2008年07月22日

衛気営血弁証(4)血分証



●どんな病証?
・温熱病のうち最も深く重い段階
・病変特徴は
耗血:(熱や慢性病で)陰血を耗傷すること
動血:(脈絡を灼傷、血を脈外に出して)各種出血
傷陰:脱液ともいう。陰液が枯渇したもの
動風

の4つです

●主な所見は?
上の4つの特徴から大きく分けると

@吐血、衄血、血便、血尿、舌質紅絳、はっきりとした斑疹
⇒ 動血

A意識障害、躁動(手足バタバタさせる)、手足の痙攣、頸項部の強直、両目上視
 牙関緊急(咬筋の痙攣)

⇒ 耗血、動風

B持続する微熱、暮熱早冷(夜熱出て朝には解熱する)、五心煩熱、口咽乾燥、難聴
 精神不振

⇒ 傷陰

C身体が痩せてくる、唇や舌が萎縮する、目が陥没する、歯が乾き艶がなくなる
 傾眠、手足がピクピク動く、痙攣することもある

⇒ 傷陰、耗血

●治療方針と選穴
方針 : 清熱涼血
選穴 : 主に 足少陰経、足厥陰経穴、任脈経穴
手技 : 補法(督脈に瀉法も)。灸はダメ。

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衛気営血弁証(3)営分証




●どんな病証?
・温熱の邪気がさらに深く入ったもの(営とは血中の気のことです)
心神が影響を受ける

●主な所見は?

@心熱があり、夜に増悪 
⇒ 営陰がやられると真陰にも影響が及ぶから

A心煩、不眠、意識障害、譫語
⇒ 営気は心に通じてるので、営分に熱があると心神に影響しやすいから

B舌質紅絳(舌が深紅色、熱がかなり強いことを示す)
⇒ 営は血中の気のこと。ここの熱は血分にも影響しやすいので

C斑疹 ⇒ 熱が血絡に影響して現れる
斑疹の説明をすると、
『斑』:形態や大小が不揃いで、皮膚面より盛り上がってないもの
『疹』:形が粟のように小さく、皮膚面より高くなってるもの
斑疹が外に出てる(体表に現れてる)⇒ 一般に正気が邪を外表に出せたことをあらわす
しかし
斑疹が非常に多い、非常に密 ⇒ 邪が重いことをあらわす 
ので注意

●治療方針と選穴
方針 : 清泄営熱
選穴 : 主に 手陽明経、足少陰経、督脈経穴
手技 : 補瀉ともに。灸はアウト

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衛気営血弁証(2)気分証




●どんな病証?
・温熱の邪気が臓腑に入り、正邪が激しく抗争、陽熱が亢進して起こる証候
・八綱でいうところの裏熱証
・熱が臓腑に入ってるので、位置はイロイロ(胸膈、肺、脾胃、胆、腸など)

●主な所見は?

基本症状は発熱、悪熱、舌紅苔黄、脈数、尿赤
⇒ 熱が気分に入り、正邪抗争が盛ん。裏証なので悪寒はありません

あとは熱の入った位置によって変わります
(肺) ⇒ 咳喘、胸痛、黄色く粘い痰を吐く
(胸膈) ⇒ 心煩(胸がほてってむかつく)、座っても寝っころがっても落ち着かない
(陽明) ⇒ 壮熱、大汗
(腸) ⇒ 腹満硬痛、便秘、水様便(水を下痢する)

などです

●治療方針と選穴
方針 : 気分の熱の清泄
手技 : 瀉法。灸はダメ
選穴(熱の入る部位でメインが変わる)
@肺 ⇒ 手の太陰経、手の陽明経穴
A胸膈 ⇒ 手の太陰経、手の陽明経穴、背兪穴

B陽明の熱が盛ん ⇒ 手足陽明経穴、督脈経穴
C腸 ⇒ 手足陽明経穴

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衛気営血弁証(1)衛分証




●どんな病証?
・温熱の邪気が肌表に侵襲したため、衛気の機能が失調して起こる証候
温熱病の初期によくみられる
肺経の症状を伴うことが多い
・八綱弁証でいうところの表熱証

●主な所見は?

@発熱悪寒
⇒ 衛気が鬱の状態にされて起こる。温は陽邪なので、発熱強めの悪寒は弱めです

A舌紅、脈浮数
⇒ 温熱の邪が表にあることによる

B頭痛
⇒ 温熱の邪が清竅に上擾(上に影響すること)しておこる

C咳、咽喉腫痛
⇒ 肺がらみです(衛気が鬱して肺気不宣⇒咳、喉は肺の門戸なので

●治療方針と選穴
方針 : 疏風解表 + 宣肺
選穴 : 主に 手の太陰と陽明経、督脈経穴
手技 : 浅刺しで瀉法。灸もOK



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衛気営血弁証(0)その前の段階;『温病』とは?




衛気営血弁証について学ぶ前に『温病』について少し触れておきます

温病は いろんな種類の外感熱病の総称 のことです
これらの主な特徴は 
『熱』であって、『寒』ではないこと
・病状は 化燥傷陰 に発展しやすいこと
の2つであります

各種の温病の名称は多岐にわたりますが
主なものは 風温、湿温、温熱 の三種です
それぞれの意味は
風温 : 発熱、咳、気急(呼吸困難)、口渇など肺胃熱盛の性質を持つ
湿温 : 発熱が退かず、胸悶、悪心、食欲減退、便秘下痢など湿熱阻滞の性質を持つ
温熱 : 高熱、面紅、口渇、発疹(広範囲の場合も)、心煩、酷いと神昏(意識混濁)
     などの症候を特徴とするもの
といった感じ

これらはみんな一定の発展法則があり、衛気営血弁証で弁別します
ということで

衛気営血弁証は 温熱病の発展過程を病位・程度に基づいて分類したもの です

分類は 大きく4つの段階(衛分証・気分証・営分証・血分証)に分かれていますので
1つずつみていきます

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