2008年07月21日

六経弁証(8)まとめ と 注意点




まとめると
六経弁証は
外感熱病の陰陽、表裏、虚実、および寒熱 に重きをおいて説明し
それによって

外感熱病の進退変化を弁別したもの であります

●病勢
一般的には
早期・中期(三陽経病)には、患者さんの正気も充足してるので 実・熱証が主
正気が弱ってくれば、三陰経病に移り、虚・寒証が主になってきます

●順序
太陽経病から始まり、順に他の経に伝わります(伝経)が
人体の正気の強弱や病邪の軽重には個人差が当然あるので
伝経の順序は絶対的なものではなく、二、三経の病が同時に見られることもあります

ちなみに
二つの陽経病が同時に出る ⇒ 『合病』
陽経と陰経の病が同時に出る ⇒ 『両感』
発病当初から陽明(少陽)病が現れる ⇒ 『本経自発』
最初っから陰経病が現れる ⇒ 『直中』

まとめの表を載せときます

六経弁証早見表.png



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六経弁証(7)厥陰経病証





どんな病証?
理論的には非常に重篤なハズなんだけど、記述ではそうでもないです
病証としては 裏虚で寒熱錯雑(寒熱の判断は複雑)

症状の特徴は?
・足厥陰経が肝に属して、胆を絡い、胃を挟んでるので ⇒ 肝胆と胃の症状
・出方は 上熱下寒

主な症状は?

@消渇(のどが渇いてよく飲み、よく食べてかえって痩せ、尿が多い一群の病症)

A気上衝心、心中疼熱
⇒ 上熱(上に熱が出る)のあらわれ

B飢えても食欲がない、食すると回虫を吐く
⇒ 下部の腸道虚寒による

治療方針と選穴
方針 : 調理寒熱
選穴 : 主に 足厥陰経穴、足少陽経穴、足陽明経穴
手技 : 補瀉ともに。灸もOK

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六経弁証(6)少陰経病証




どんな病証?
全身性の虚寒証
心腎は『水火の臓』と言われるので、ココらが機能しなくなることから

主な症状は?

@畏寒(寒気を感じるけど暖を取れば緩解する)、四肢厥冷
⇒ 少陰の陽気が衰退して寒が盛んなため

A傾眠、下痢(ほとんど消化してない)
⇒ 陽気の衰退によります(神気衰退⇒傾眠、陽気衰退⇒脾胃が冷える⇒下痢)

B脈微細

治療方針と選穴
方針 : 温補陽気
選穴 : 主に 足少陰経穴、任脈経穴
手技 : 補法 + 灸(多め)
 
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六経弁証(5)太陰経病証




どんな病証?
裏虚寒湿の病証(脾陽の不足で邪が寒湿になる)
脾(太陰)は胃(陽明)と表裏の関係にあるので

主な症状は?

@腹満して嘔す、食不下(食った物が下に行かない)、下痢
⇒ 脾の陽気が不足して出ます

A口渇しない、腹痛
⇒ 邪が寒湿化して起こります(腹満は脾陽不足、腹痛は寒邪の阻滞で区別してます

B舌苔白膩、脈は沈緩で弱

治療方針と選穴
方針 : 温中散寒
選穴 : 主に 足太陰経穴、足陽明経穴
手技 : 瀉法(補法ではないんです)。灸もOK
タグ:中医学
posted by epg* at 16:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガイゼミ復習

六経弁証(4)少陽経病証




どんな病証?
半表半裏の熱証(表と裏の中間

病位は?
表(太陽)からは離れてるけど裏(陽明)には入ってない、中途半端な位置

主な症状は?

@口苦、咽乾、目眩
⇒ 熱の上逆です(胆熱の上逆で口苦、さらに津液損傷で咽乾)
  目と肝胆は密接に関係してるので、少陽の風火が上に行くと目眩が…

A往来寒熱
⇒ 病位がびみょーなので、正気が邪気に勝つと発熱が、反対だと悪寒が起こる

B胸脇苦満
⇒ 少陽経脈の循行部に熱が鬱積すると出る

C食欲不振、嘔す
⇒ 肝胆の熱、鬱が胃に影響するから

D心煩
⇒ 木火の上逆です

●治療方針と選穴
方針 : 和解少陽
選穴 : 主に 足の少陽経、足の陽明経
手技 : 瀉法、一般に灸は使わない模様

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六経弁証(3)陽明経病証



どんな病証?
外感病の熱盛期にみられ、八綱でいうところの実熱証に属する

病位は?
裏です
太陽経病が治癒せず内に入ってきた感じ

主な症状は?

@大(高)熱
⇒ 熱が陽明経に集中するから

A大汗、大渇、舌苔黄燥
⇒ 熱が津液を外泄する(大汗かく)ほか、熱が津液を損傷するから

B脈洪大
⇒ 陽明は多気多血なので熱が迫ると脈がでっかくなるから

C日哺潮熱
⇒ 陽明経気は日哺(午後)に旺盛になるので、午後に熱が出やすいから

D腹部張満、大便秘結
⇒ 熱と糟粕(カス)が腸に集まり、結して(固まって)通じなくなるから

E譫語(うわ言)、狂躁、不眠
⇒ 邪熱が盛んで心神に影響するとなる

治療方針と選穴
方針 : 清熱瀉下
選穴 : 主に (手足の)陽明経穴
手技 : 瀉法。灸はダメ
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posted by epg* at 13:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガイゼミ復習

六経弁証(2)太陽経病証




どんな病証?
外感熱病の始まりによく見られる症状で、八綱弁証での表寒証に属する

病位は?
です
太陽経が体の外衛をなして肌表を主るので、外邪はここ(太陽)から侵襲するとか

●主な症状は?

@悪寒・発熱
⇒ 外邪の侵襲で衛陽が鬱するから

A頭項強痛
⇒ 足太陽経(膀胱経)の経脈が邪を受けて経気の流れが悪くなるから

B浮脈
⇒ 外邪が肌表にいるので、正気が体表まで来てこれ(外邪)と抗争するから

●治療方針と選穴
方針 : 疏風解表
選穴 : 主に 太陽経穴と手の陽明経穴
手技 : 瀉法(or灸法)

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posted by epg* at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガイゼミ復習

六経弁証(1)六経弁証とは? + 病位変化の順番

昨日のガイゼミで出てきた単語でイマイチわかってなかったとこを記録しときます
基礎内容じゃないけど、一応『はり師・きゅう師国家試験』の出題範囲です

六経弁証は 外感病の証候と特徴を結びつけて体系化したもの で

要するに 外感病を弁証する方法 です

外感病を 6つの証型 に分類し、臓腑経絡の病理変化や症状を追っています
病位変化の流れは
太陽経 ⇒ 陽明経 ⇒ 少陽経 ⇒ 太陰経 ⇒ 少陰経 ⇒ 厥陰経
の順です

何回かに分けて挙げて来ます

あと、
ガイ先生、実は本出してたのでこの場を借りてちょっと紹介をば


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posted by epg* at 11:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガイゼミ復習

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