2008年05月30日

マクロ解剖生理学(20)尿管から先の話

解剖学の試験的なことはほとんど図のイメージ通りで通用すると思います
ちなみに
・膀胱三角は尿管の開口部(2点)と尿道の開口部で囲まれた三角のことで
ここだけ伸び縮みしません
・尿道括約筋には2種類あって
尿道起始部の尿道括約筋(平滑筋
尿道末梢の尿道括約筋(横紋筋
といいます
おしょんをガマンするのは外尿道括約筋の方です


尿管.png


●排尿について
最終的に膀胱の収縮2つの尿道括約筋の弛緩が起これば排尿できるわけで
それを起こすために何が働くかたどれればOKです

・膀胱の収縮 
橋の排尿中枢 ⇒ 骨盤神経の副交感神経線維の活動亢進 ⇒ 膀胱収縮

・内尿道括約筋の弛緩
橋の排尿中枢 ⇒ 腰髄の下腹神経(交感神経線維)の活動低下 ⇒ 弛緩

・外尿道括約筋の弛緩
大脳皮質運動野 ⇒ 陰部神経(運動神経線維)の活動低下 ⇒ 弛緩

クドいようですが、このなかで自分の意思が関与できるのは陰部神経のところだけです
小さい子が漏らしちゃうのはこの部分(大脳皮質によるコントロール)が未発達だから

ちなみに、蓄尿は排尿反応のほぼ逆で覚えとけばOKです

2008年05月28日

経絡経穴学総論(1)経絡とは


鍼灸師の診察・治療の手段として経絡は欠かせません

しかし

学校では経穴の名前・場所を覚えるだけに終わってしまい
卒業後の今、苦労してます(どんなときにどんな穴使えば良いのかとか)

なので
このシリーズでは経絡経穴の概略や作用(調べた範囲まで)を書いていきたいと思います
入りきらなくなったら各経についてのに分けるかも…

●経絡とは

経脈と絡脈の総称です
『経』はまっすぐな道という意味があり『絡』には網の意味があります
経脈は縦に流れる幹線で、絡脈は全身を網の目状に分布する経脈の分枝です

経脈には気血が流れてて、臓腑と四肢・関節を連結、体内の全ての機能を調節してます

●経絡の作用は

大きく3つです
@生理面:気血を運行、陰陽調和をはかり、外邪から体を防御
A病理面:病邪を転送する(病状が経絡を通じて身体に反映する
B治療面:鍼灸刺激を伝導、臓腑の虚実を調節

より臨床と関係深いのはA、Bですね
Bはそのまま治療に用いるんですが、Aは診察に応用します

経絡には特定のルート、連絡する臓腑があります
臓腑や器官の病証は経絡上に反映されやすいので、部位・症状・その変化によって
それがどの経絡のルート・臓腑・器官に関係しているか判断する材料になるんです

例えば、頭痛だったら
痛みが外側 ⇒ 少陽経
痛みが頭頂部より前側 ⇒ 陽明経
痛みが頭頂部より後側 ⇒ 太陽経
と、それぞれ関係することが多く
局所だけじゃなく該当経絡のルート上にも圧痛などの反応が出やすいといった感じ

この部分(経穴の診断応用)についての記述は、やはり古典に多いです
『霊枢〜九針十二原〜』には

『五臓に病あるときは十二原穴上に反応が出る

原穴の反応をよく観察すれば、五臓の疾病状態を診断できる』


と記載されています
他にもたくさんあります。探してみると奥深いですよ
ちなみに
epg*は、この原穴使うやり方が治療する臓腑の特定に1番失敗しないのでよく使います


経穴.png
タグ:中医学

2008年05月26日

臓腑間の関係〜臓と臓の関係〜(8)脾と腎


脾と腎の関係は もちつもたれつ です

脾には水穀の精微を運化する作用がありますが
これは
腎中の陽気の温煦作用を受けることによってスムーズに行われます

また
腎の精気は、脾から得られる水穀の精微を常に補充・化生することで賄われてます

まぁこんな感じに、脾と腎はお互いにギブあんどテイクして機能を支えあってます
脾と腎のこの関係を

『脾は後天の本であり、腎は先天の本である』

といいます


脾と腎.png

あと、脾も腎も水湿の代謝に関与する臓なので
お互いの機能を援助しあって水液代謝を管理するという関係もあります

脾と腎の関係が崩れたときに出る症状は
夜明け前の下痢、腹部の冷え・痛み、食べたものが全然消化されずに出る下痢、水腫など
のようです



正直epg*はこの症状の患者さんに出会ったことありません
むしろ精神面に注目すると、
脾は意(思)を、腎は志を蔵します
意(思)は考えること・思慮を指し
志は粘り・辛抱強さに関与します
両者の機能に異常があればその精神面でも異常が出てくるわけで
この2つがダメになると

あまり考えられず、ガマンできない状態

になり易くなるわけです
現代の社会問題とちょっとかぶりません?
脾と腎の関係を現代に当てはめるとこんな見方もアリかと
まぁこれは思っきし私見ですので、そんなことないねと思う方は流してください

タグ:中医学

2008年05月25日

マクロ解剖生理学(19)腎臓Aその機能


腎臓の機能を大きく3つに分けると

@排泄
排出 ⇒ 体液量一定
電解質排出 ⇒ 浸透圧一定
H+の排出 ⇒ pH一定
●不要物質捨てる

A再吸収
●有用物質(グルコース・アミノ酸などなど)

Bホルモンの産生・分泌
●エリスロポエチン ⇒ 赤血球産生へ
●レニン ⇒ アンジオテンシン系発動(血圧上昇)へ


です



腎臓.png

@とAは尿生成と関係します

尿生成の流れ

糸球体大きな分子(タンパク質・血球・脂肪など)以外をろ過します
このとき関係するチカラは
・ろ過を推進する ⇒ 糸球体の血圧
・ろ過をさせない ⇒ ボーマン嚢内圧と膠質浸透圧
糸球体の血圧(押し出すチカラ)が
ボーマン嚢内圧と膠質浸透圧(戻すチカラ)を超えた分だけろ過されるんです
これを有効ろ過圧っていいます

尿細管で要るものと捨てるものを選別(再吸収と分泌)します
ここでまず押さえておくべきは
グルコースの再吸収量は100%ってことですね

尿量
健常人で1日800〜1600mlです
(400〜500mlを乏尿、100ml以下を無尿、3000ml以上を多尿といいます)

腎臓は尿を作ることで血液(血漿成分)を調節・浄化する装置です
尿の量・濃さを変えることで体液の状態を一定に保とうとしてるんです
なので
この辺はいろんな横文字・専門用語多いんですけど

それが何をするのかに注目すると働きを理解しやすいと思います

例えば…
バゾプレッシンの働きは水の再吸収促進です
水再吸収しちゃうんで尿量は減りますね
なぜ再吸収するんでしょうか?
水を再吸収 ⇒ 血液の水分増える ⇒ 血漿濃度は薄くなる(浸透圧低下)
この(浸透圧を低下させる)ために水を再吸収するんです
こういった流れを重視すると生理学の試験でひねられても間違えないでしょう

つづいてホルモンの話ですが
この辺は試験で出ても働きくらいなもんなので
ちょっと東洋医学と関係ありそうな話を1つ
腎臓から作られるレニンは直接関係無いんですけど

中枢神経系内で作られるレニンは記憶力と関係があるそうです

腎虚で物忘れがひどくなるって症状はまさかこの関係を言ってるんでしょうか?!
まぁ腰の腎兪に刺して脳内のレニン分泌が盛んになるかどうか定かではありませんし
そもそもそんな実験した人もいないでしょうしね…
でもしかし、もし実際にそんなこと(脳内のレニン分泌に影響する)が起こるとしたら
その関係に気づいてた昔の人ってスゴ過ぎ
 

レニン.png

2008年05月23日

マクロ解剖生理学(18)腎臓@解剖学で使う知識

@位置
腹膜の後ろにあります
●右側は肝臓があるので、右腎は左腎よりちょっと低い位置にあります

Aカタチ
●外層の皮質、内層の髄質に分けられます
皮質には腎小体と尿細管の迂回する部分があり
髄質には尿細管の直行する部分、ヘンレループや集合管があります
集合管の出口にあたる部分は腎杯、腎杯から腎門の間は腎盂(腎盤)です
●腎臓の内則中央(腎門)からは腎動脈、静脈や尿管が出入りします



腎臓2.png

B血管系
腎動脈 ⇒ 葉間動脈(弓状動脈を形成)⇒ 小葉間動脈 ⇒ 輸入細動脈 
ここまでは普通なんですが腎臓はここで2つのルートに分かれます
●他のと同様に器官の栄養に向かうルート
これは毛細血管を通って上と同じ名前の静脈(小葉間静脈とか)を経て腎静脈に行きます
●尿生成に向かうルート
毛細血管(糸球体)⇒ ボーマン嚢 ⇒ 尿細管 ⇒ 集合管 ⇒ と続き尿になります

2008年05月21日

臓腑間の関係〜臓と臓の関係〜(7)肺と腎

肺と腎の関係でメインとなるのは、やはり『気と水』です

●気について:『肺は呼吸を主り、腎は納気を主る』

症状として出てくるのは 浅い呼吸(深呼吸できない) です

どんな流れで出るのか

肺は呼吸を主っています
が、人体として呼吸を行うには腎の納気作用の補助が必要になります
特に吸気に関して、深く吸い込むには腎中の精気が充実していることが条件です
なので
腎中の精気が不足 ⇒ 納気不足 ⇒ 深く吸い込めない ⇒ 浅い呼吸
という流れが出ることが多いんです

腎中の精気を失う原因にはどんなものがあるか
寝不足。これはわかると思います
房事過多。直訳すると、『部屋ですることのやり過ぎ(1人の場合も)』
ぶっちゃけて言うと 精の出し過ぎ です(下で申し訳ない)
なので
もし、男性で太ってるわけでもないのに息を深く吸えないなって思う方がいたら
上の2つを控えてみてください。多分改善されると思います


肺と腎1.png

●水に関して:『肺は水の上源、腎は水を主る』

津液のところで紹介したように
どちらも水液代謝に大きく関与します
なので、両者の失調は
小便、鼻水の異常・水腫 など水液代謝の異常として現れ
進行すると
咳がひどくて横になれないといった症状まで出てくることがあります

肺と腎2.png


ちなみに、epg*が見ることが多いのは上(気の方面の異常)の方です
腹式呼吸する人が減ってきてる(もともと呼吸の浅い人が多くなってる)ことや
ネット普及・活動時間の不規則化などが影響してるんじゃぁないかと


タグ:中医学

2008年05月19日

臓腑間の関係〜臓と臓の関係〜(6)脾と肺


●『脾は気血生化の源であり、肺は気を主る』

肺に必要な気や津液は
脾の運化作用によって運ばれる水穀の精微から得られます
そして
肺まで運ばれた水穀の精微は
肺の宣発作用で全身に散布されます(その過程で脾も栄養する)



肺と脾.png

●病状変化の出方は『気虚と水湿代謝』の2方面に出ることが多い

@脾 ⇒ 肺 に病が進行するとき

長引く脾気虚 ⇒ 肺気の衰弱が起こる ⇒ 呼吸が浅く早い・話し声が低く、微弱など

個人差により、いきなり肺気虚にならないこともあり

脾気虚で運化弱る ⇒ 水湿停滞して痰飲(体のヘドロ?)形成 ⇒ 痰飲が肺を侵す
⇒肺の宣発・粛降がへたる ⇒ 咳喘・多痰 など

どちらも呼吸器の症状ですが、原因は 脾胃 です

なので、治療も脾胃の調子を整えるのがメインになります

A肺 ⇒ 脾 に病が進行するとき

同じように考えることができ
肺気不足 ⇒ 水穀の精微の散布状況が悪くなる ⇒ 脾の運化作用に影響
⇒ めまい・四肢に力が入んない など

粛降作用が悪くなる ⇒ 水道を調節できなくなる ⇒ 水湿停滞 ⇒ 脾陽損傷
⇒ 水腫・下痢・腹が張りやすい・倦怠感 など

の症状が出ます

結構、日本人は脾や肺が弱い人多いのでこれらの症状は遭遇率高いですね
 
タグ:中医学

2008年05月14日

臓腑間の関係〜臓と臓の関係〜(5)肝と肺

肝と肺は『気機の昇降』調節に大きく関与します
というのも
●肝には『昇発(上に上がる)』という特性があり
●肺には『粛降』という働きがあるから

両者の協調態勢が崩れるとどうなるか

●肝⇒肺
(メカニズム)肝の気が鬱滞 ⇒ 肝経をつたって肺へ ⇒ 肺の陰分を消耗
(症状)肝経ラインの痛み・キレ易い・咳逆 など

●肺⇒肝
(メカニズム)粛降へたる ⇒ (肝が抑制できず)肝気の昇発過度
(症状)咳(激しめ)・めまい・頭痛・胸脇部の張った痛み など 

どちらも春先に症状起こりやすいですね
似てますがメインとなる症状と、その出方が異なります

タグ:中医学

2008年05月12日

臓腑間の関係〜臓と臓の関係〜(4)心と腎

両者の五行が『火と水』であることから
この2つの関係はお湯を沸かすのに似ています

心陽(火) ⇒ 腎陽を温める ⇒ 腎陽は腎陰(水)が冷えすぎないようにする
腎陰(水) ⇒ 心陰を滋養する ⇒ 心陽(火)が亢進しすぎないように冷やす

図にするとこんな感じ?

心と腎.png


じゃこのバランスが崩れるとどうなるか

水が強くなりすぎる ⇒ 水腫・動悸・ビビリやすくなる・冷える
火が強くなりすぎる ⇒ 動悸(早め)・寝つきにくくなる・陰虚系の症状

などの症状が見られるようになります

タグ:中医学

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